2018年1月26日金曜日

野の花

 去年の年末から年明けにかけて、森の保育園のホールに設置予定の作品を制作、やっと卒園式に間に合うように納めることが出来そうでほっとしています。
ここ数年来、年末から年明けには、桜の絵を制作することが多く、今回もやっぱり、背景に山桜を描いています。
初めて写生に伺った4月終わり頃には、保育園のある林の中には「稚児百合」という可愛らしい野の花が沢山咲いていて、北側の斜面にはスミレの花が未だ残っていました。
春の遅いこの場所は、卒園式の頃にはお花が咲いていないそうなのです。
沢山の花と、子ども達が世話をしている、ポニーの「わかば」とヤギの「さくら」に見送られて、子ども達の記憶の片隅に残れたら良いなーと思いながら描きました。

フレンドリーな「わかば」くん


 小さい頃、幼稚園に途中から行かずに植物好きの祖母の家で過ごし、小学校からは、犬、猫、小鳥、金魚やメダカ、昆虫などに親しんで育ってきた私は、ずっと「お花屋さん」になりたいと思っていた時がありました。
現実には超朝早起き、年間を通しての水仕事に、ずしっと重い花器、枝ものを運ぶ肉体労働、そしてお花は「生鮮類」!など等、数え上げればきりがないほどの大変な職業ですが、子供のころはそんな事とは知らずに、ぼーっと「お花に囲まれていいなー」と、のほほんと思っているわけでして、お花屋さんに憧れていた自分が、一つ、ひとつ、お花を写生して、描いているのは幸せであると同時に、おそらく本当の花は1本も手に入れられないのだと、聖書の中にある「野の花」の話を思い出しながら描いています。
「野の花」は、諸説あるようですが、「百合」か「アネモネ」とのこと、ちょっとびっくり。ですが、日本では園芸植物としてお馴染みの色鮮やかな花達が、南半球の野原には普通に咲いている写真を見るとまさしく「野の花」です。
今年の11,12月には、クリスマスに関連した展示を控えていることもあり、キリスト教徒ではないですが、少しずつ関連した題材を写生したり、アネモネや百合を育てたり・・・と、妙にクリスマスに詳しくなっている気がします。とはいえ、「キリスト教」は西洋美術、文化だけではなく、「西洋」のもっとも根源的な世界なので到底にわかに入り込む余地はなく、途方にくれる「迷子の羊」状態です・・・。

          
油断すると頭突きしてくる「さくら」ちゃん



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