2015年10月28日水曜日

久々更新です・・「いわさきちひろ美術館で・・・」

 Facebookページで手いっぱいになってしまい、「ブログ」はすっかりご無沙汰していました。
・・が、偶然FBサイトでみつけた、「ちひろ美術館・東京」さんでの「ちひろ美術館ブロガー特別鑑賞旬間」企画に応募致しました。で、期間内に美術館にお邪魔して、レポートを書く事になりまして、そのプレ・ブログです。お付き合いいただければ嬉しいです

                              ☆
 
「日本画」なのに、何故「いわさきちひろ」なの?と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ちひろさんに詳しい方なら、彼女のデッサン力と基礎力、水墨画の下地を御存知だと思います。

中学生になった時にいままでの児童書や絵本を整理しよう。ということで、段ボール箱から出てきたのが、幼稚園のときに読んでいた「こどものせかい」のちひろさんの絵本シリーズで、もう、「秒殺」魅了(笑)されてしまい、ちひろさんの描く世界に夢中になってしまいました。





その時担任だった、クラスの先生がちょうどちひろ美術館のご近所にお住まいで、
「そんなに好きなら、1度行ってみると良いですよ。」とご紹介いただいたのがきっかけでした。

ちひろさんの原画を見た時、優しい淡い色彩と、鋭い描線、ひたむきに問いかけるような子供達のまなざしに、さらに魅了されて、当時は一生懸命「まねっこ」して透明水彩やパステルをおこずかいを貯めて画材屋さんに買いに行き、ワクワクしながら描いていたように思います。が、あるとき、ちひろさんの御子息の松本猛さんが執筆された「いわさきちひろの絵と心」で、彼女の絵には、いわゆる「基礎」というものがきちんとあり、物凄い勉強をされていたのを知り、「これはちゃんと専門の勉強をしなくてはいけない」と、当時は「東山魁夷」さんが、ちょうど唐招提寺の障壁画を完成、奉納されていて、何故か、国語の教科書の表紙絵が東山先生の作品だったのです。そして、松本猛さんの文章に「俵屋宗達が多用し有名になった『たらし込み』という技法」やその他水墨画の技法を駆使して描かれている。」という意の記載に、「日本画にいかねば!」・・・と、油絵に使うオイルの匂いが体質的に向かなかったこともあり、描く対象を丁寧に観察して描写し、岩絵具で表現する日本画にすすみました。そのまま「日本画」の世界に身をおいています。が、2011年の3・11以来課題になっていることが、久々に読み返した「いわさきちひろの絵と心」(講談社文庫)のなかにある、

「いわさきちひろは画家になろうと決意した頃から、一部の人の応接間や玄関を飾る絵を描く画家にはなりたくないという明確な意志をもって印刷美術の世界へ進んでいるのだが、生来の子ども好きと相まって童話の挿絵画家から絵本作家への道をたどった。」

という言葉が心に刺さっています。「子どもたちの幸せのための絵」ってどんなのだろう。・・おそらく答えはでないと思います、が、問い続けて描くことをやめずにいたいと思います。
同時に画廊さんのお世話になるときに先輩の作家さんが仰った、
「デビューだよ。どういうことかわかっている? 君のために見ず知らずの人が(作品を買うために)お金を払ってくれるのは、君のかわりに何度も頭を下げてくれる人たちがいる。ということを忘れないように。」

村上隆さんの著書に「アーティストは社会において最下層の人間だ。という自覚が必要だ。」という意味のことが書いてあり、ずっとそう思ってきた自分にはとても同意できる文章でした。
どちらの世界にしても奢ることなく謙虚でありたい。とあらためて思います。




http://www.chihiro.jp/tokyo/museum/schedule/2015/0119_1650.html

まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館―展は、今日10月28日(水)~来年の1月31日(日)までの開催です。詳細や休館日などは、上記リンクをクリック、HPなどご覧ください。
なお、来週の11月4日(水)には安曇野館の館長・松本猛さんと、三菱1号館美術館館長・高橋明也さんの対談イベントがあるそうです。まだ申し込みは受けていられるようです。


http://www.chihiro.jp/tokyo/event/2015/0928_1715.html

建築、美術関係のお仕事や、その分野で学んでいる学生さん対象の割引企画もあるようです(*^_^*)/