2015年11月8日日曜日

花水月-Hanamizuki-: まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展

花水月-Hanamizuki-: まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展: ※はじめに・・本ブログはちひろ美術館(東京・安曇野2館企画 現在は東京館にて開催中) 「まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展」ブロガー特別鑑賞旬間による規約に基づいて構成しております。美術館内部の写真撮影については、特別に許可を戴いて撮影いたしており、美術館内...

まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展

 ※はじめに・・本ブログはちひろ美術館(東京・安曇野2館企画 現在は東京館にて開催中)
「まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展」ブロガー特別鑑賞旬間による規約に基づいて構成しております。美術館内部の写真撮影については、特別に許可を戴いて撮影いたしており、美術館内部画像の著作権等はすべてちひろ美術館に帰属致します。

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昨日11月4日(水)、上井草駅から徒歩約7分、ちひろ美術館・東京にて開催中の
「まるごとちひろ美術館ー世界で最初の絵本美術館ー展」伺ってきました。
夕方からは、安曇野館館長・松本猛さんと三菱1号記念美術館館長・高橋明也さんのダブル館長対談も企画されており、私も約35年(?)ぶりの東京館で、テンションかなり高めの状態でした。


西武新宿線 上井草駅の雰囲気はほぼ変わっていないような・・・


↑こんな立派な看板がかかっていました。

地図と記憶をたよりにたどり着きました。「ちひろ美術館・東京」です。


建て替える前のこじんまりとした雰囲気を残しつつ、一瞬、「天空の城・ラピュタ」のラスト部分で登場する、緑の樹々に包まれた美しい廃墟を思い浮かべました。あとで建築系担当の学芸員さんから、設計者の内藤廣先生の設計コンセプトが「建物の『現在』ではなく、50年後、100年後の未来を想定して設計する」ことだと伺って、100年後の緑につつまれたちひろ美術館の姿を垣間見たような気がしています。

久しぶりで、外観連写



美術館のお隣マンションがほぼ同じ色の外壁なので、伺ってみたところ、まったくの偶然だそう。
ちひろ美術館の外壁の色は設計会議のさいに、東京館館長の黒柳徹子さんの「『赤』はどうかしら?」との発案に皆さんココロの中で「具体的にどんな色味の赤だろう?」と思っていた時に、黒柳館長が持っていらしたバッグにイメージにぴったりな色味の「赤」がやはり偶然にみつかったのだそうです。後になって偶然が重なってお隣の建物とも似合う色味が見つかるとは、神様がみつけてくださった「赤」なのかもしれません(*^_^*)
玄関を入って、カフェや販売コーナー。昨日は平日のわりに多いかな?という感じでした。土日はお客様も沢山いらしてスタッフさんはさぞ忙しいだろうなぁ・・・ちひろさんの作品絵葉書、複製画、画集、絵本などなどグッズが沢山、お土産、資料など全部揃います。



木のぬくもりがなんとも心地よい建物で、床材はアメリカ・イリノイ州にあった約100年前のバーボン工場に使われていた、アンティークのオーク(ナラ)材を使用、「リサイクル材」ということで、前出の内藤先生のコンセプトと「低予算」という美術館側の希望にもマッチしたのだとか。ただ、日本の湿気の高い気候に床材が膨らんでしまい、きっち隙間なくはめるまで、相当の手間と時間がかかり大変だったそうです。

建築関係の方々必見の「萌え」ポイント☆「十字柱」・・・の解説です。実物は美術館で。↑の写真で、オークの床材と外壁の色になじんでいる雰囲気がお伝えできていれば良いのですが・・・


耐震、居住地域での高さ制限など数々の規制や困難を乗り越えて設計された「東京館」、美術関係者のみならず、建築を学ぶ学生さんたちにはとても興味深い建物名所のひとつだそうで、思わずこの柱をなでつつ鑑賞してしまう方もいらっしゃるそうです。


作品展示室は2重扉になっています。 ちひろさんの作品は殆ど画用紙に描かれた水彩画です。
画用紙は日本画を描く和紙のようにアルカリ性ではなく、酸性の基底材です。「脆弱」と云われている日本画よりもさらに繊細でもろい上、水彩絵具に使われる顔料は科学的に生成されているものが多いので、紫外線、赤外線など耐光性も岩絵具より起こりやすいと思います。なので、照明はかなり抑えてあります。

↓は、今回の「『たてもの』としてのちひろ美術館」に焦点をあてた展示です。





実は・・・

いつも植物や動物など自然にある「曲線」や「やわらかいもの」、ぐにゅぐにゃ~としたものを描いていることが多いワタクシ、実は建築設計図や模型を見るのが大好きなのです!
あの直線のみで構成された繊細な図面と、模型・・・人はジブンにないものに魅かれる。という法則そのままに「うつくしー!」とテンションあがります☆  ・・・で、本ブログではちひろさんの作品や技法解説は、ちひろ美術館の数々の書籍や松本猛さんはじめ見識者の方々の著作をご覧ください。ということにして、建築内装関連のこと中心になってしまいました(^_^.)





ちひろさんは大の植物好き。で、沢山のお花を庭で育てて写生されていたそうです。
作品に登場する花々もこちらの中庭で育てられていた子たちかもしれません。


そして彼女が一番好きだった「子ども」たちのための休憩のお部屋も。





ちひろさんの作品や美術館所蔵の絵本の原画コレクションの解説は、昨年刊行された、こちらの本に詳しく載っています。パート2ブログ、「ダブル館長対談」に登場する先生方の「『ちひろ美術館』という“場”に託した思い」も読みごたえアリです。


おまけのおやつ写真はチーズケーキとブレンドコーヒー、お母さんが作ったような素朴な味わい(*^_^*)です




お付き合いいただきまして有難うございましたm(__)m


ちひろ美術館のHPから、美術館までのアクセス、イベントの詳細がご覧いただけます。

http://www.chihiro.jp/tokyo/museum/schedule/2015/0119_1650.html

展覧会は来年2016年1月31日(日)最終日です。休館日、開館時間なども↑HPから確認できます。ちひろさんの原画の素晴らしさと世界で最初の絵本美術館としてのコレクションや建築も
お楽しみください!












2015年11月1日日曜日

ちひろ美術館の設計は・・・

ちひろ美術館・東京さんには超久しぶり。で、予習も兼ねて、館長さん執筆の「ちひろ美術館物語」(講談社)を読んでいます。裏側がこんなに大変だったとは!今までちひろさんの作品だけをみていたけれど、美術館が出来るまで、展示会を開くまで、家族の物語など沢山つまっています。
その中で、安曇野にあらたに美術館を開くにあたって、設計をお願いする方を内藤廣氏にお願いするストーリーが載っていました。

安曇野館さんといえば、ゆったりとした空間と北アルプスの山並みをイメージした外観、カラマツを使った内装で、有名な美術館です。私も長野に写生に行く度に訪れる場所です。


建築設計をされたかたがどんな方なのか、考えていませんでした。・・・と検索したら、スゴイ方でした☆(びっくり・ぽん) http://www.naitoaa.co.jp/
とてもエライ人なのに、建物の雰囲気をまったくエラそうではなく、親しみやすい、優しい感じで、
ちひろさんの作品の雰囲気と安曇野の自然を建物で表現されようとしていることが伺える、素敵な空間です。東京館のほうも内藤廣氏による設計。ということで、中学生の時に増・改築した当時の美術館しか知らない私には今からとても楽しみです。

今回開催中の「まるごとちひろ美術館―世界で最初の絵本美術館―」展は、広報担当の方によると、「いわさきちひろ」「コレクション」「建築」の3つの柱を中心に、さまざまな角度から、ちひろ美術館を“まるごと”紹介する展覧会だそうです。美術館の「建築」に視点をあてた展覧会って、とても珍しい?はじめてかもです。さらに太っ腹なことに
ちひろ美術館FBページによると

【美術・建築関係の皆さまは2015.11/29まで入館料半額!】
美術や建築を学ぶ大学・専門学校生、関連業種の方(例:美術館や建築・デザイン事務所勤務の方)は、10/28(水)~ 11/29(日)の1カ月間、入館料が半額(400 円)となります。 学生証や社員証などの証明となるものを受付にてご提示ください。
なのだそうです!
※団体に所属されていない、フリーランスの方は美術、建築関連のお仕事名刺をご提示ください。とのことです。
 11/4(水)17:30~美術館設立に携わった松本猛と三菱一号館美術館館長の高橋明也による対談「ちひろ美術館のコレクションの魅力」も開催http://www.chihiro.jp/tokyo/event/2015/0928_1715.html

11月29日には建物ツアーもあるそうです。
http://www.chihiro.jp/tokyo/event/2015/1025_1617.html

詳しくはちひろ美術館HPをご覧ください。
http://www.chihiro.jp/tokyo/